登山サークル アウトドアチャイルド

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高尾山いろはの森、48の友達と、アオキの実、タヌキとサルと、おからドーナツのファンタジー
投稿日
2022/04/11
清酒「高尾山」を飲んで少し酔っ払った状態でこれを書かせて頂いているのだが、今日もなかなか充実した登山になったという、満足感を感じている。
今日は八時ごろに起床して、さて今日は登山にゆこうかゆくまいか、ひとしきり、自らの胸と相談した結果、今日は高尾山に行くことにした。
いろは——
イメージはもう、出来上がっていた。
私にとっての高尾山は、〝いろはの森〟であるのかもしれない。
そんな風な思いを抱く、今日この頃であったので、それが本当なのかどうかを確かめるためにも、今日はぜひ、〝いろは〟から、高尾山に登ってみようと思った。
いろはの良いところ、それは樹木の名札が、たくさん付いているところである。
樹木の名前を覚えたいのであれば、いろはの森コースが一番である。
ひとまず私はJR高尾駅まで移動して、駅前のファミマで、ほうじ茶、北海道メロンパン二つ、ファミチキ二つを購入して、それを食べながら、まず日影キャンプ場まで歩いた。
腹をしっかり作って、万全な状態で、登山に臨んだということだ。
日影キャンプ場には、以下のように書かれた、案内図があった。

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いろはの森案内図

この森には、「いろは」48文字をそれぞれ頭文字とする樹木を選んで表示してあります。
なかには、昔から愛されている地方名で示したものもあります。
選んだ樹木の大部分は高尾山に自生しているものです。
きれいな花の咲く木、赤い実のなる木、常緑の木、落葉する木、太い木、細い木などさまざまなものがあります。
皆さん、「いろはの森」で森林浴を楽しみながら48種類の樹木と友達になってください。
===

良かろう。
そこまで言うなら、ご指定の48種類の樹木と、友達になってしんぜよう。
私はそう決意して、いろはの森を歩き出す。
登山者たちと、すれ違う。
すれ違う年配の登山者たちは、とても親切で優しく、「このコースきついでしょ? がんばってくださいね」とか、「あともうふた頑張りくらいで、上に到着しますよ、がんばってくださいね」などと、優しい言葉をかけていただけた。
最近めっきり太ってしまい体力も落ちてしまっているので、とてもきつそうな顔をして登山をしていたので、それを見かけた心優しき登山者たちが、私に力強いエールを送ってくれたのである。
樹木の名札を見かけるたびに、私はそれをスマホで撮影した。
48種類の友達の姿を、まずはしっかり確認したいと考えたのである。
まずは「はじめまして」から、友達関係はスタートする。
無口な48種類の友達との、友情の第一歩である。
しかしかなしいかな。
48種類のお友達ができるはずが、実際は、以下の41種類しか確認することができなかった。

スギ
ヒノキ
コナラ
ヤマザクラ
モミ
カヤ
エンコウカエデ
イタヤカエデ
ムラサキシキブ
けやき
ゆずりは
たまあじさい
カラスザンショウ
あせび
はないかだ
さわしば
あらかし
いろはもみじ
おおもみじ
つのはしばみ
やまぼうし
うわみずざくら
えのき
きぶし
さわふたぎ
しろだも
はくうんぼく
はりぎり
おおうらじろのき
ウラジロガシ
イヌガヤ
みずき
えごのき
くり
イヌシデ
ミヤマシキミ
イヌブナ
あかしで
アカガシ
アオハダ
ヒイラギ

他の7種類のお友達に挨拶することは、今日は叶わなかった。
おそらく、見落としてしまったのだろう。
まあ、そんなに慌てることはない。
お友達はきっといたずら心を出し、私に対してかくれんぼでも、仕掛けてきたに違いない。
まったく無口でいたずら好きの、お友達である。
まあとにかくそんな感じで、とりあえず41種類のお友達は、しっかりと見てくることができた。
その一本一本に対して、しっかりと理解していこうと思っている。
やはりお友達の第一歩は、お互いに理解し合う心から始まるものである。
そのようにして苦労して、いろはの森コースで、高尾山の山頂まで登った。
平日の月曜日だというのに、高尾山の山頂にはたくさんの人がいた。
山頂からは、奥高尾の方に向かって、歩いた。
一丁平、小仏城山、小仏峠と歩き、小仏バス停まで下っていったが、その途中でアオキの実を十個、アオキから毟り取り、それを渓流で洗って、その十個を口の中に放り込み、バリバリと歯でもって、アオキの実を粉微塵にした。
しかし苦味を感じてしまい、どうも飲み込むことに抵抗を感じてしまい、それらを全部、吐き出してしまった。
アオキの実は、真っ赤な実で、ヒヨドリの御馳走である。
そのご馳走を、最近私は、一個とか、二個とか、食べてみているのだけど、十個まとめて食べようとしたのは、本日初の挑戦だった。
アオキの実を十個まとめて食べることができたら、かなり空腹は満たせるはずである。
それで、立派な一食になるのではないだろうか。
いや、十個は少し、少なすぎるか。
しかし三十個くらい食べたら、牛丼一杯分くらいの満足感は、得られるのではないか。
そんな風に思い、大量に実っているアオキの実を、十個まとめて食べようとしたが、さすがに十個はきつかった。
少なからず、苦味を感じた。
それだけでなく、なんか腹が痛くなってしまった。
「へんなもの、食べたんじゃないですか?」などと医者に言われたら、返答に困ってしまう。
「はい、アオキの実を十個食べました。アオキの実、ご存知ですか? ヒヨドリのご馳走ですよ!」などと発言すると、きっと変な人だと思われてしまうだろう。
とにかく、せっかく実を実らせてくれたアオキには申し訳ないが、私はアオキの実、十個で、腹を壊してしまったらしい。
アオキの実自体は、全部吐き出したが、その汁とか、エキスとかは、全部飲み込んでいるはずだ。
それがあまり、私の胃袋には合わなかったらしい。
それで、せっかくアオキが実らせてくれた、提供してくれた、ありがたいアオキの実ではあったが、それをありがたく全部食べることができず、全部吐き出してしまったことについては、本当に、アオキに対して申し訳ないことをしてしまったと、反省している。
で、とにかくそんな具合で腹が痛くなってしまって、小仏バス停に到着して、そこのトイレに駆け込んでも良かったが、そこのトイレは小さくて、トイレのまわりに人も何人かいたので、もっと悠々とトイレがしたいと思い、日影キャンプ場のトイレまで、頑張って歩くことにした。
そのときに、日影キャンプ場の近くで、タヌキを見かけた。
そしてトイレを済ませて、また戻っていくときにも、またタヌキを見かけた。
タヌキのやつ、どうやら木の根っこ部分を、自分の家にしているらしかった。
それからまたちょっと歩くと、今度はサルが二匹、出現した。
日影キャンプ場、タヌキとかサルがいるらしい。
それにはちょっと、驚いた。
で、どうやらそのあたりで、クマが出たという目撃情報も、あるらしかった。
高尾山で、クマなんて。
信じられない。
と、思っていたが、高尾山でも普通にクマは、いるかもしれない。
一体クマのやつ、どこに住んでいるのだろうか。
クマだけでなく、イノシシは確実にいるらしい。
まあとにかくそんな感じで充実した登山を終え、高尾駅まで戻っていたのである。
途中、「するさしの とうふ」という、豆腐屋に立ち寄り、寄せ豆腐、生揚げ、豆乳とおからのドーナツ、を購入した。
ビニール袋には、腐らないように、氷もいれてもらった。
先日その豆腐屋で、木綿豆腐、納豆、あぶらげ、がんもどき、豆乳を購入したが、それら、なかなか美味かった。
その時は、寄せ豆腐、生揚げ、は売り切れだった。
だから今日は、寄せ豆腐、生揚げを、しっかり購入した。
ドーナツは先ほど一つ食べてみたが、なかなか美味い。
ほんのりと、甘味もある。
高尾駅まで歩いた後は、電車に乗り、立川駅まで移動した。
そして立川駅のQBハウスで、1200円払って、散髪、一ミリの坊主頭にしてもらった。
最近、髪が伸びすぎて、寝癖とかできていたので、一ミリの坊主にしてもらい、さっぱりした。
どうせしばらく出会いの会には参加できないし、このタイミングは、一ミリの坊主にするには、絶好のタイミングであった。
そして立川駅から電車に乗って、家に帰ってきた。
家に帰ってきて、清酒「高尾山」を飲み、カレーライスを食べ、そしてドーナツを一つだけ食べた。
そして、今に至る。

まあ、今日もなかなか充実した一日であったと、言えるだろう。
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