登山サークル アウトドアチャイルド

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2022年2月11日の高松山は雪山でした
投稿日
2022/02/11
考えてみたら、二月は短い。
今日が2月11日で、2月は今日を入れると、あと18日である。
そして今サイフを確認してみると、四万円が入っている。
スイカには、五千円が入っている。
その他に今月使うことが許されている金は、八万円ある。
つまり18日間で、12万円までは使うことが許されている。
12わる18で計算してみる。
0.6666。
つまり、一日6600円も使うことが許されている。
それを考えると今月は、イージーな案件と言って良いだろう。
だから別にムリして節約生活をしなくても、大丈夫そうである。
また来月になると、状況は変わってくる。
今月末に給料が入り、それによって来月はもっと豊かな懐具合となる。
毎日安楽亭で焼き肉を食べることさえ、許されるかもしれない。
しかし無論そんなことはしない。
余裕があるから、すべて貯蓄にまわしておくことだ。
今の仕事も、三月末で終了になるかもしれない。
そうなると、その後は無収入になってしまう。
それを思うとやはり、今のこの段階から節約生活を始めなければいけないように思う。
だから私は今日は養老渓谷に行こうと思ったが、電車賃をケチって行くのはやめて、長々と布団の中で惰眠を貪っていたのである。
今日は一円も使わないほうが良いだろう。
そんな風にも考えた。
しかしそれではあまりにも味気ないように思え、そしてふいに、
「よし今日は、高松山に登ってこよう。松田ハーブガーデンなんかも、今はどんな感じか見てこよう」
そのように思い立ち、外出の支度をした。
すでに養老渓谷に行くための準備を昨日のうちに済ませていたので、登山の支度はあっという間に終わった。
ザックの中にはレインコート、チェーンスパイク、ザックカバー、ヘッドライトなども入れている。
ゼリー飲料は、念のため四つ持っていく。
そしてプラスチック用のゴミの袋を手にして、室を出る。
そしてゴミ捨て場にゴミ袋を置いてから、最寄り駅に突撃だ。
そしてスイカに三千円を入金して、ホームで電車を待つ。
自動販売機で、温かいコーヒーを購入する。
いつもは健康のため禁コーヒーを心がけているが、今日はその禁を破る。
今週の日曜日には某ツアーに参加する予定であったが、昨日雪が降ったためが、そのツアーは中止の連絡が来た。
しかし今日は良い天気。
中止の判断、早すぎたようである。
そのツアーが中止になったため、そのツアーに払うはずだった参加費は、節約できた。
それでだいぶ楽になると感じだ。
それでこの三連休は出費を控え、ひっそりと家にこもって過ごそうと思っていたのに、いま現在、私は電車の中にいて、新松田駅に向かっているのだから、人生なんて予定通りにはいかないものである。
正義は我にあり。
その確信を持って、自信を持って、私は今、松田山ハーブガーデンに向かっている。
途中で体力が尽きてしまったら高松山まではいかず、ハーブガーデンだけを見て、引き返してくるつもりである。
実は今日、我が麗しいの山田さん(仮名)も、松田山ハーブガーデンに行くと言っていたので、私はストーカー気質を発揮させ、ハーブガーデンに行ってみることにした。
そこで山田さんと遭遇した場合は、「どうですか、これから、本厚木に繰り出して、白コロホルモンでも食べに行きませんか? おごりますよ。へっへっへ」などと、誘ってみるのも良いだろう。
しかし山田さんは高収入の女性なので、「いえいえ、逆にワタクシがおごらせて頂きますわ。なぜなら私の年収は、あなたの三倍なのですからねえ。ホッホッホ」などと、言ってくれるかもしれない。
そしてゴチになることができるかもしれないし、ゆくゆくは山田さんと仲良くなり、恋に落ち、私は山田さんに養って貰えるような好待遇を得られるかもしれない。
私のような高等遊民は金を稼ぐことは苦手なので、私を養ってくれる金持ちワイフをゲットできれば、こんなに嬉しいことはない。
その意味でも私は今日、是が非でも松田山ハーブガーデンにゆき、山田さんをストーキングしなければならない。
かりに山田さんに会えなかったとしても、後からラインで、「今日は山田さんに会えるかもと思って、私もハーブガーデンに行ってきましたよ!」などと、犬ころのような可愛らしいラインを送っておけば、山田さんは、「まあ、なんて可愛らしい殿方なのかしら、母性本能をくすぐられるわ、ペットにしたいわ」などと、思って貰えるかもしれない。
そして山田さんの年収に群がる他の婚活男たちよりも、一歩先をゆくことができるかもしれない。
まあ今日は、そんな楽しみもあるということだ。
実を言うと高松山のツアーには、近日参加する予定があるのである。
しかしその前に下見として、そのツアーと同じルートを、本日歩いてみようかと思っている。
新松田駅から歩きはじめ、松田山ハーブガーデンをへて、高松山に登り、山北駅まで下山してくる。
コースは大雑把に言うと、そのようなコースである。

実は最近、千葉県市原市が主催する、市原市を舞台にした小説を募集している文学賞に応募しようかと思い、熱心にあれこれと頭を悩ませていたのである。
更級日記千年文学賞という名前の文学賞であったと、記憶している。
その文学賞に応募するため、私は更級日記を購入して読んでみたり、第一回目のその賞の受賞作を印刷してすべて読んでみたり、選考委員長の椎名誠の代表作と、一番新しいお作を購入してきたりもした。
市原市にも二回取材に行って、市原市で最も標高の高い山である大福山に登り、養老渓谷をハイキングもしてきた。
そして今日、本当はまた養老渓谷駅まで行って、梅ヶ瀬渓谷を歩いて、日高邸跡まで行ってみようかと思っていたのである。
しかし賞の応募の締め切りも2月28日と間近に迫っており、しかし未だに書く内容も定まっていない状態のため、さすがにもう、今回の応募は諦めた。
本当は三作、小説を書こうとしてみたのだが、どれもすべて失敗した。
こんなお作では到底受賞は狙えないと思い、作りかけのお作はすべておっぽりだした。
そして今、素直に今月は完全節約生活で過ごそうと思っていたのに、その舌の根も乾かぬうちから高松山登山に向かっているという体たらくなのである。
先ほど駅のコンビニでパンを四個、お茶を二本購入したので、食糧、飲料も万全である。
後は体力の問題だ。
最近運動不足でぶったるんでいて、ぶくぶくとブタのように太り始めている私が、天下の秀峰、神々の住まう山、高松山に登ることができるのだろうか。
もし高松山に登れたら、私は未だ現役バリバリの登山者であると、自信を持って人に言うことができる。
しかし高松山はそんなに甘くない。
松田山ハーブガーデンは甘いが、誰にでも登れるお散歩登山だが、高松山の方は甘くない。
辛い。
激辛である。
ハバネロフォカッチャである。
しかし私は挑むのだ。
なぜならそこに、高松山があるからさ。
足が動かなくなったら、手で登る。
手が動かなくなったら、歯で登る。
歯も全部抜けてしまったら、目で登る。
そして目も潰れてしまったら、何もかもを使い切り、こん限り使い果たしても、それでも登れなかった場合は、
想う!
強く想う!
そのようにして、私は最後の最後まで高松山に挑み続け、そして目を見開いたまま、凍死することを選ぶのだよ。
ぐっふっふ。
これぞ男のロマンというものだ。
家に閉じこもり、一円も使わず寝てばかりいるような昨日までの自分にバイバイ。
そんな心境さ。


喉元過ぎれば熱さを忘れるもので、今は呑気な気分で家路についているのだが、今日の高松山の登山は、かなり大変なものになってしまった。
2022年2月11日の高松山は、完全な雪山であった。
登りは良かったが、下りでは、到底そのままでは降りれず、チェーンスパイクを着用。
すると劇的に歩きやすくなるも、雪というものは、本当に恐ろしい。
というのは、雪が登山道を完全に隠してしまっていたのである。
通常、道を見れば、どこが登山道かわかる。
しかし雪が積もっていると、登山道が分からなくなってしまう。
そんな中、下山する。
ここかな?
道はあってるのかな?
と、おっかなびっくりになりながら、道を選択する。
しかし本来は登山道がわからなくなった地点で、それ以上進むのはやめて、元来た道を引き返すのがベストだと思う。
しかしついつい楽観的に考えてしまい、なんとかなるだろうと思ってしまう。
しかし足を折ったり、指を折ったり、してしまいそうにもなる。
下山の時、道を完全に間違えてしまったらしく、遭難するかもしれないという恐怖も味わった。
本来の登山道ではなく、作業道かなにかを歩いたのかもしれない。
確か青いヒモなんかを目にしたようにも、記憶している。
通常よく見るのは、ピンクのヒモである。
しかし今日の登山はメチャクチャで、新松田駅から12時すぎに登山を開始して、松田山ハーブガーデンでのんびりして、途中最明寺史跡公園をへて、広々とした高松山の山頂に到着したとき、もうすでに16時を過ぎていた。
そして下山時に雪のために道を間違えてしまい、遭難の危機を感じてしまったというわけだ。
幸い本来の登山道と合流できて、ことなきを得た。
そして下り続け、すっかり暗くなってしまったが、その時には車道に出れていたので街灯などがあり、ヘッドライトは不要であった。
山北駅に到着したのは18時30分くらいで、もう完全に夜になってしまっていた。
このように、本日の登山では生命の危険を感じ、冷や汗を流すような登山になってしまった。
おまけに高松山の登山の道のりをしっかり覚えようと思ったのに、下山時に道を間違えてしまったものだから、しっかり道を覚えるということは、残念ながら出来なかった。
だから高松山登山でしっかり人をガイドするなどということも、まだまだできないということだ。
それをするためには、もう一度高松山に登る必要がある。
しかし実は近々、ツアーで高松山に登るので、そのときに道をしっかり覚えれば問題ないだろう。
まあしかし、雪が積もっていると、高松山でもチェーンスパイクなしには、まったく歩けない。
やはり2月11日のこの時期は、チェーンスパイクは持っていく必要がありそうだ。
しかし本日、松田山ハーブガーデンで、松田山で獲れたミカンとかキンカンを購入したが、それがまた、とんでもなく美味かった。
私は別に松田山ハーブガーデンの回し者ではないのだけど、松田山で獲れたミカンやキンカンは、確かにとんでもなく美味しくて、ほっぺが落ちてしまいそうだった。
そして登山で下山して、車道に出たときは腹がペコペコで、用意してきたパン四個をブタのように貪り食ったのだけど、それもまた、とんでもなく美味しかった。
しかし今日は疲れた。
遭難の危機もあり、死を感じ、生命の危険を感じた。
とは言っても、食糧も飲料も万全なので、山で一晩過ごしたとしても、死にはしなかったかもしれない。
最悪、元来た道を、せっせと戻れば良いのである。
しかし高松山の山頂では、態度の大きい若者二人が陣取っていて、さながら高松山の山頂が自分たちの家であるかのような横着な態度で、山頂にたった一つしかない椅子とテーブルのセットを、完全占領していたのだけど、道に迷ったことに気付き、もし山頂まで引き返した場合、その偉そうな若者二人から好奇な視線を注がれるのかと思うとそれもやりきれず、それもあって道を間違えたくせに、元来た道を引き返すという選択が、なかなか出来ずにいたのである。
しかしあの二人、さながらジャイアンみたいな雰囲気の、実に横柄で偉そうで態度の大きい若者二人であったものである。
山頂に現れた私を無遠慮な目で、ずいぶんジロジロ見てくれて、とても居心地の悪い思いをしたものだ。
あの二人は、地元の人なのかもしれない。
確か、大きなスコップを持っていたようにも思う。
もしかしたら地元の消防署の人かもしれず、大雪に見舞われた高松山を、スコップで何か作業をするためにやってきたのかもしれない。
ことによると私がもし遭難して、警察に、「助けてくれー」と連絡した場合、まずあの二人が助けにくるのかもしれなかった。
あの二人、トボッケマスターみたいな顔をしていたが、実は立派な救急隊員とか、警察官だったのかもしれないぞ。
そして雪山と化した高松山で遭難するドジでマヌケな登山者がいないかどうか、パトロールしていたのかもしれなかった。
それなのに私はあの二人のことを、横柄、偉そう、態度がでかい、トボッケマスターなど、色々言ってしまい、大変失礼した。
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