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登山歴40年の道迷い遭難
投稿日
2018/10/03
長野県警レスキュー最前線という本を読んでます。
長野県は日本一山の遭難が多い県です。

雨飾山という百名山で61歳の単独行の男性が遭難した話が載っていました。
登山歴は40年以上とのことです。

その時期の雨飾山はまだ雪が多く残っており、他には誰も登山者がいないような、非常に登山が難しい状況になっていました。
その中の山行は予定通りに進まず、予定の日を過ぎても父が戻ってこないということで、家族から警察に通報がありました。

登山歴40年以上だけあって、男性の装備は万全です。
水も食料もたくさんあり、ビバーク(野宿)の用意もあります。

しかし予定通りに山行が進まず、男性は友人にメールで連絡しています。
しかしそのメールの宛先は、友人の携帯メールではなく、パソコンのメールのほうでした。
そのため友人がメールに気付いたのはメールを受け取ってから6日間も後のことだったそうです。
それで慌てて家族に連絡して、まだ男性が帰宅していないことが判明し、それから家族が警察に連絡したそうです。

男性は遺体で発見されました。
道に迷い、下っている途中で滑落してしまったそうです。
道迷い遭難の典型的なパターンのようです。

登山歴40年以上の大ベテランであっても、道迷いは発生します。
万全な装備を用意していても、遭難で命を落とします。

敢えて誰も歩かないような難しいルートを歩いたことも大きな原因でしょう。

友人がメールにすぐに気づけたら助かったのかもしれません。
事前に友人と打ち合わせして、いざという時の対応を頼んでおけば、あるいは命は助かったのかもしれません。

上級者になると単独行を好み、自分だけを頼りにして登ってしまうものなのかもしれません。
しかし上級者の知識やスキルを上まわるような自然の猛威に襲われてしまったとき、遭難は発生します。

どんな上級者でも雪山など、危険なルートを歩く場合は絶対に安全ではありません。
自分のスキルに自信があればあるほど、いざというときの備えをおろそかにしてしまうのかもしれません。

安全に登山を楽しむということは言うは易しで、行うは難しです。
何事も起こらず登山が終われば、その登山は単なるイージーな登山になります。

何事もなく無事に終わる登山が圧倒的に多いに違いない。
少々の準備不足や、装備不足、計画不足があったとしても、大抵の場合はなんとかなるものでしょう。
特に問題なく、登山が終了するケースが圧倒的に多いでしょう。

しかしいつまでもなんの対策もせずに無謀な登山を続けていると、必ずいつか決定的な危険に出くわします。
その時も無事に登山が終了するとは限りません。
そこで命を落としてしまう人の数も、決して少なくはありません。

山の怖さに気付いたときにはもう次はない。
そういう事態にはならないように、常日頃から気を付けておきたいものです。
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