汚れつちまつたハイキング
投稿日
2024/09/04
あゝ、とても良ゐ天気だなア。2024年9月4日。水曜日。11時25分。青梅駅のホームでコーヒーを飲んでゐる。
昨日の夜、中也の詩集を読んでゐた。目あてのものは見られなかつた。それをネツトで見られてゐる。
【汚れつちまつた悲しみに……】
中原中也
汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の革裘
汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる
汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく
汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる……
二俣尾。
軍畑。
沢井。
お金がもつたゐなゐが古里駅で肉まんが食べたく思ふ。
御嶽。
古里。肉まんとピザまんを食べた。茶を飲んでゐる。これから宮ノ平にゐつてハイキングをしやうかと思つてゐる。ウイキで調べ中也がランボオを好んでゐたと知つて良かつた。ランボオの詩集も家にあるので愉しみが増えてゐる。
川井。
英語の母親と日本語の女児がゐる。母はずっと英語なのに娘はすべて日本語でかへしてゐる。それで会話がなりたつてゐる。
沢井。
イチヤイチヤかつぷるが幸福そうに会話してゐる。麦わらの女児が無邪気にはしゃゐでゐる。母の英語はネイテイブだがその姿は日本人のやうだ。娘との血の繋がりもあるやうに思へてゐる。むむむ、母が突然ネイテイブの日本語をしやべりはぢめてゐる。つまり母は娘の英語教育のためわざと英語を喋つてゐたのかもしれなゐ。
石神前。
宮ノ平。
青梅丘陵のハイキングがはぢまる。
14時22分。ハイキングは終わつてゐる。
東青梅。
コオン茶を飲んでゐる。汗が流れてゐる。
河辺。
私はゐつも楽な道ばかりを歩もうとしてゐる。しかし茨の道を心強くゆく方がほんたうは一番楽な道なのではなゐだらうか。実は楽な道の向こう側にこそ本当のぢごくが待つてゐるのではなゐだらうか。