登山サークル アウトドアチャイルド

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富士山登山をしてきました。結果的に弾丸登山になりました
投稿日
2018/07/15
2018年7月14日、富士山に登りました。
午前11時15分に御殿場口新五合目から出発して、山頂まで行って、富士宮コースから下山しました。
18時間歩き続けるという長い登山になりました。

今回は山小屋に宿泊せずに、一気に登って一気に降りるという弾丸登山になりました。
しかしもともとは一泊する予定でした。
御殿場口コースの赤岩八合館で一泊し、そして翌日はゆうゆうと剣ヶ峰を見てきて、それから再び御殿場口コースで下山する予定でした。

赤岩八合館は御殿口コースでは一番山頂に近い場所にある山小屋です。
標高3300メートルの場所にあります。

それでそこで宿泊しようと思いました。
150人まで宿泊可能とのことで、御殿場口コースはそれほど人は多くなかったので、予約なしでも大丈夫なのではないかと思いました。
山小屋はほかにも砂走館とか、わらじ館とかがあり、もし赤岩八合館が宿泊できなくても、そのどちらかで宿泊できるだろうと思っていました。

あるいは、赤岩八合館で宿泊を断られた場合は、今回は弾丸登山にチャレンジしてみようと思いました。
剣ヶ峰まで登り、同じ道を帰ってくる。
その場合往復で16時間くらいの登山になるであろうと予想しました。

エベレストの登山なんかでも、16時間くらいぶっ続けで歩くケースもあると本に載ってました。
だから16時間歩き続けるような登山もできるようになっておいたほうが良さそうです。

御殿場口からの登山は登りが8時間20分で、下りは3時間30分とのことです。
下りは走るように下り降りるようです。
大砂走りのスラローム下山とかいうらしいです。

しかし下山時は夜になるはずなので、そんな走って下るような危ないことはできません。
暗い中道を間違えないように、慎重に下山していく必要があります。

富士山の最高地点である剣ヶ峰まで行く場合は、山頂に到着してからさらに20分ほど歩かなければいけないようです。

さてそんな感じで、宿泊断られたら弾丸登山にチャレンジしようと思ってて、弾丸登山するつもりで登ってはいたのですが、実際に宿泊を断られてしまうと、ひどくショックでした。
もうへとへとに疲れ果てていたからです。
とにかくもうのんびりしたかった。
赤岩八合館で食べ放題らしいカレーライスを三杯くらい食べたかった。

そもそも山小屋は宿泊を断らないものだと思い込んでいました。
へとへとに疲れ果ててたどり着いた登山者を見捨てたりはしないだろう。
なんとかスペースを作って、泊めてくれるだろう。
そのように考えていました。

しかし余裕で断られました。
スタッフの人は笑顔で手をバツにしました。

まじかー。

私はまさか断られるとは思わなかったので、テンパってしまい、とにかくその場を離れました。
そして赤岳八合館のスタッフの人が見えないところまで山小屋から離れてから、今度は砂走館のほうに電話してみました。

すると、満員ではあるが、ぎゅうぎゅう詰めでも良かったら一人宿泊できますよ。
とのことだった。

ぎゅうぎゅう詰めかー。

超満員ですし詰め状態で寝る。
それはけっこう抵抗あります。

それでちょっと検討しますとお伝えして電話を切りました。

どうしたものか、と考える。
もうこのまま帰るか、とも思う。

で、迷いに迷ったすえ、とりあえず山頂まで行くことにしました。

でもかなりもう疲れていたので、剣ヶ峰はもう今回は無しです。
御殿場口のゴールの山頂までたどり着いたら、そこからピストンで戻ってこようと思いました。

でも地図を見てみると、富士宮口ルートで下ったほうが良さそうです。
富士宮口の下りのコースタイムは、3時間30分のようです。

御殿場口の下りも迷わないだろうとは思ったのですが、富士宮口ルートの下山であれば、さらに迷う可能性は低く、安全だろうと思いました。
富士宮口のほうが、山小屋とかも多そうです。
人もいっぱいいそうですし、安全面はかなり高そうです。

地図を見ると、御殿場口の山頂と、富士宮口の山頂は、すぐ隣り合わせになっています。
だからひとまず山頂まで行って、そこからは富士宮口ルートから下山しようと思いました。

というわけで、山小屋泊をあきらめ、真っ暗闇の中、山頂を目指すことにしました。

星空はとてもきれいです。
しかし雲がかなり不気味に思え、恐怖を感じさせる風景に見えました。

で、かなり大変な道のりが続きます。
登っても登っても着かない感じです。

とにかく、高山病の危険があります。
前の富士山登山では、がっつり高山病にやられました。
それで今回は高山病には細心の注意を払って臨みました。

とにかく私にとってのデスゾーンは3000メートル以上です。
3000メートルを超えると、高山病の危険が高まります。

3000メートルを超えると、とにかく急がない、無理しない、ゆっくり歩く、こまめに休憩する。
そのような形で進みました。

だから全然先に進みません。
ちょっと無理すると、すぐに高山病になりそうな気配が出てきます。
気をつけなければいけません。

赤岩八合館から山頂までのコースタイムは1時間35分です。
しかし私は3時間くらいかかったと思います。

とにかく疲れてましたが、ゆっくりゆっくり歩き続ければ必ず山頂に到着できるし、今回の登山のゴールにも到着できると思っていました。

しかし風が強い。
そして寒い。
そして暗い。

不気味な星が見える。

赤っぽい雲とかあって、雲もかなり不気味。

まあ実際、もうこのまま帰ろうかな、と、何度も思いました。

でも最近、登山で敗退がけっこう多くて、和名倉山も敗退したし、冬富士も次郎坊にさえ行けずに敗退したし、敗退ばっかりなので、今回はなんとか頑張りたいと思いました。

山小屋から山頂までは1時間35分のコースタイムです。
それほど長い道のりというわけではありません。

これに今回は飲料も、食べ物も、たっぷりあります。
梅おにぎりを10個買ってきましたし、バナナも二房買ってきました。
ペットボトルのお茶は5本持ってきました。
しかし本当は7本持ってくるべきだったと思いました。
とにかく頻繁にお茶は飲むので、すぐになくなってしまいます。

で、ゆっくりゆっくり歩き続けて、なんとか山頂に到着したのが、21時42分でした。
山頂の山小屋、頂上富士館は、完全に消灯していました。
営業時間は21時までらしく、それ以降はスタッフの方もみんな寝るみたいです。
全然人気がなくて、休業中の山小屋のように見えました。

その付近に、テント立ててる人もいました。
そして座り込んでいる人とかもいました。
なんかちょこちょこと作業してる人もいました。
どうやらここ、山頂で、日の出を待つようです。

しかし、めちゃくちゃ寒いです。
風もとても強い。
こんなところ、10分もいたくありません。
さっさと退散したい。

剣ヶ峰なんて、行く気はゼロです。
とにかく風が強くて、寒くて、真っ暗だし、剣ヶ峰に行こうという気はみじんも持てませんでした。
とにかく早く家に帰りたい。

というわけで、富士宮口からの下山です。

しかしこの下山も大変でした。

富士宮口は、登りも下りも同じ道です。
そして狭い道がたくさんあります。

そして登ってくる人がめちゃくちゃ多いです。
おそらく弾丸登山の人たちで、2000人くらいいたと思います。
みんな死にそうな顔してました。
やっぱり夜に富士山に登るのは非常にきつい。
みんな十歳以上、老け込んでみえました。
楽しい要素ゼロの登山です。
辛くてきついばっかりの登山。
道端でぶっ倒れて、しばし休んでいる人も多くいました。
女性の弾丸登山者もたくさんいました。
弾丸登山、こんなにたくさんの人がやっていることを知り、びっくりしました。
やっぱみんな、山小屋使いたくないみたいですね。
やっぱみんなぎゅうぎゅうのすし詰め状態はイヤなのかもしれません。

弾丸登山の人以外の人も含めると、登ってくる人は1万人くらいいたと思います。
そして下るのは私一人だけです。
そして道はとても狭いです。
待ってたらいつまでたっても下れないので、なんとかじわじわ下っていきます。

それがまた、すごい疲れました。
なんといっても狭い道に、1万人くらいの人が登ってくるのです。
そして下るのは私一人だけです。
なんか、すみません、すみません、と言い続けながら、肩身狭い思いをして、下り続けました。

で、そんな感じで、魔のデットゾーンである3000メートル以上の地点で、そんな風に一生懸命になってしまったので、やはり高山病にやられました。
しかし今回は以前ほどひどいものではありませんでした。

頭痛が少し。
そして、とにかく食欲がなくなる。

腹は減ります。
しかし食欲がまったくありません。

食欲がないので、何も食べない。
しかし腹はますます減る。

そんな状態で、じわじわ動きが鈍くなってきて、体を動かすのがだんだんと億劫になってきます。
少し動かして休む、動かして休むの繰りかえしです。

このままで動けなくなってしまうのではないか。

私はそう思い、バナナを食いました。

バナナは食えました。
食欲なくても、バナナはけっこう美味しく食べることができました。

そしてバナナを食べて、お茶を飲むと、体力が回復して、しばらくは動けるようになります。
そしてまた動きにくくなったらバナナを食べの繰り返しです。

まさにバナナパワーです。

梅おにぎりは全然食べる気がしませんでした。

そんなこんなんで結局、富士宮口の五合目に到着したのは、朝の5時ごろでした。
コースタイム通りだと、1時30分くらいには着いたはずなのに、コースタイムの二倍以上の時間がかかりました。

とにかく歩いたらすぐに疲れるし、次から次へとどんどん人が登ってくるし、もう大変です。
これだったら、御殿場口から下山すべきでした。

完全に失敗しました。
この時間帯に富士宮口から下山しては絶対にいけないようでした。

とにかくそんな風になんとかして、富士宮口の五合目に到着して、レストランでバスの時間を待ちました。

バスは9時に来ます。

まわりには、これから富士山に登ろうという人がたくさんいます。
みんな元気がありあまっています。

やっぱ登山は朝からすべきです。

私と同様、すでに登山が終わった人たちもいるようでした。

とにかく富士山は、弾丸登山の人がとても多くて、そして3時とか4時とかに登り始める、早朝登山組もとても多いです。

レストランにいた関西系のグループの人たちは8時から登って、山頂には13時ごろ着く予定と話し合っていました。
それからお鉢巡りもするような話をしてました。

朝スタートの人たちにとっては、富士山は日帰り登山の山みたいです。

で、みんな車で来てる人、多いですね。

富士宮口五合目から駐車場までのシャトルバスも出ていて、たくさん人がそのバスに乗ってました。
その人たちは、車に乗ってきたのだと思います。

というわけで、私の今回の富士山登山はそんな感じでした。

すごい大変でしたが、また一段と、富士山のことがわかってきました。

あとは須走口ルートを経験すれば、ひとまず四つのルートを歩いたことになります。

あと、お鉢巡り。
これはまだできてない。
必ずしなかればいけません。

お鉢巡りというよりも、剣ヶ峰には必ず一度はいかなければと思っています。

今度一度須走ルートで登り、そのときに剣ヶ峰も行くことができればよいなと思ってます。
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