登山サークル アウトドアチャイルド

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峰谷からの鷹ノ巣山は道迷いに要注意
投稿日
2018/03/17
今日は峰谷から奥多摩の鷹ノ巣山に登った。以前に一度、峰谷から鷹ノ巣山に登ろうとしたことがあるが、積雪がひどくて登ることができず、途中で引き返してきた。そして道もとてもわかりにくかった。積雪で、かつとてもわかりにくい道であったので、これはもうどうしようもないと思って、諦めて引き返してきた。

そして今日、二度目のチャレンジだ。今回は峰谷バス停に降りたとき、一緒に降りた人が四人いた。そしてその人たちも峰谷から鷹ノ巣山に登るようだ。三人組のグループと、単独の人の四人である。
トイレを済ませると、その人たちはもう登山を開始していた。ちょうど私が一番後ろになった。これはラッキーだと思った。あの人たちの後ろからついていけばいい。そうすれば、峰谷から鷹ノ巣山に楽々登ることができる。道のことをとても心配していた。今回はスマホのヤマップというアプリのGPS機能で自分の位置を確認しながら進んでいこうと思っていた。そうすればきっと道に迷うことなく、山頂まで登ることができるのではないかと期待していた。
しかし前に四人の人が歩いてくれている。あの人たちについていけばいいのだ。実にイージーな登山になりそうだ。難攻不落の峰谷からの鷹ノ巣山、楽々クリアできそうだ。
単独で歩いていた人は歩くスピードがとても速くて、前を歩いていた三人組をすぐに追い越した。しかしその三人組も決して歩くのが遅くはない。私よりは速い。かなり早足でついていかなければ置いていかれそうだ。あまり間をつめるとお先にどうぞと言われてしまうかもしれないので、かなり距離を置いてついていった。このままついていけばいい。そうすれば今回の登山をクリアできる。そう思っていた。

しかしその三人組は途中で左に曲がった。え?と思った。そこには標識があった。
左の標識:峰谷林道へ(行き止まり)
右の標識:鷹ノ巣山へ

これは右でしょ?でも三人は左に行って消えていった。行き止まりなのに?私は地図を確認する。峰谷林道は確かに行き止まりのようだ。しかし川沿いの道である。おそらく川沿いのとても気持ちの良い道なのではないか。途中で行き止まりではあるが、そこまでの道のりがきっと、川沿いのとても良い道に違いない。
こんどチェックしないといけないな。峰谷林道。あの三人が向かったところを見ると、とても良いところなのだろう。帰ってからネットで調べてみよう。そんなふうに思った。

さて結局、前には誰もいなくなった。自分の力を頼りに登山しなければいけない。黙々としばらく歩いた。前回リタイヤしたところにまた行くことになるだろう。しかし道のりは長い。ずいぶん長い。
この道そもそもあってんの?と思って、ヤマップの登場だ。ヤマップで見てみると、全然違う道歩いてる。なんじゃこりゃ?あ、これは登山道を通り過ぎてる?は?なんで?
登山道の道をとっくの昔に通り過ぎている。「三沢」というところで、入っていくべき道を通り過ぎてしまっている。でもこちらからでも行けるは行けるみたいだ。途中で登山道と合流するようだ。登山道を示す実線や破線などは書かれていないが、地図を見ると道は道のようだ。この道を歩いていけば、問題なく本来の登山道と合流できるだろう。
その道を歩いていると、工事中の標識が立っていた。いやな予感がした。工事中だからここから先は通れませんとか、そういう話になっちゃいます?そうやって難航不落の峰谷からのルートの登山は、今日もまた敗退で終わってしまうのだろうか。
工事現場では四人の人が作業していた。しかし特に何も言われず、無事にそこを通り過ぎることができた。そこで「ここ工事してるか通行禁止だよ」とか言われてしまうと、本日も敗退という結果になってしまうところだった。いや、通り過ぎてしまった本来の登山道を探し出して、そこから再び登りなおすという選択肢もあったが、もうあまりにも先を歩きすぎてしまったので、ここからまたもと来た道を戻るのはかなり億劫だ。

そしてしばらく歩いていると、前回リタイヤした場所の近くにたどり着いた。前回は積雪がすごかったが、今回は雪は全部消えていた。これだったらいける!と、思った。で、よく見ると、前回頑張っていこうとしたところは、どうやら道を間違ってたみたいで、雪のない状態で見ると、これ上に行くのが正しいじゃないか!と思った。前回歩いた道を見てみると、どこにも道らしき道はないじゃないか。完全に間違った。上だよ、上。私はそう思い、上の道を進む。しかし途中で、ロープが張られていて、通せんぼされている。ここは通れないという意思表示をされてしまっている。
え、ここじゃないの?じゃあやっぱあっちか。と、やっぱり前回通った道を、再び通ることになった。この道は最初だけ歩きにくい道だが、すぐに比較的歩きやすい道が出てくる。やっぱこっちの道が正しかったのだ。そう思い、その道を進む。どんどん歩いて、前回引き返したところに到着した。
さてさて、ヤマップ、ヤマップ、今どこらへんにいるのだろう。ヤマップを見てみると、全然違うところに点が出てる。なんじゃこりゃ?明らかに位置表示が間違ってる。ここにいるわけないでしょ、というところに点が出てる。ヤマップ全然使えない。全然だめ。なんか、しまいには奥多摩駅のところに点が移動した気がした。現在地が奥多摩駅の近くなんてありえん。
ヤマップのGPS、全然あてにならない感じになってしまったが、とりあえずスマホは通常モードのままにしておいた。普段は充電を極力減らさないために機内モードにしている。GPS機能が時間をおけば復活するかもしれないので、充電が80パーセント以下くらいになるまでは通常モードのままにしておこうと思った。

で、ここからの道のりがほんと大変だった。とにかく道がない。道を作りかけて、途中でやめた、みたいな道ばっかり。前回ここで引き返して正解だった。こんな道、積雪状態で歩けるものではない。こんな道を積雪状態で歩こうと思ったら、登はんの完全装備と、登はんのスペシャリストの技術が必要だ。
実線の道でも、破線の道でもない、登山道でもなんでもないような道をしばらく頑張って歩いた。もう、完全に登はん状態。歩くというよりも、よじのぼっている。これが本来の登山だ!とか思ってみる。とにかく歩ける道を探して行ったり来たりを繰り返す。木をつかんで、よじのぼる。すごい滑落しそうな道ばっかり。とにかく上の方にいけば必ず登山道が見つかるに違いない。そう思って、上のほうの明かりあたっているところを、がむしゃらに目指して進んだ。
すると人の声が聞こえてきた。どこだ?上をみると、三人組の人が歩いてる。あった!あそこが登山道だ!
その三人組の男性、こっちをじっと見てる。私は道なき道をよじのぼってる。「大丈夫ですか!」と、声をかけられるのではないかと思ったが、全然声をかけてこない。知らんぷりしてる。どうやら、道なき道を好きでよじのぼってる変な奴がいる、くらいに思ったようだ。いやいや好きでこんな道よじのぼってるわけではない。こんな道絶対によじのぼりたくないにも関わらず、道を見失ってしまい、こんな状態になってしまっているのだ。
しかし逆に「大丈夫ですか?」とか、声をかけられないほうが良かった。声をかけられてしまうと、「大丈夫です!」と、大きな声で返事しなければいけない。それもちょっと面倒くさい。とにかくあの三人のおかげで登山道は見つかった。ずっと左に向かって歩いていたが、登山道は右上だった。危ない危ない。軌道修正して、右のほうに進む。
なんとか滑落に注意しながら、無事に登山道にたどり着くことができた。
登山道にたどり着いてからは、安全で平和な道が続いた。鷹ノ巣山避難小屋をへて鷹ノ巣山山頂に至るまで、まったく危なげのない、安全な道のりが続いた。これだこれ、これが登山道ってもんだ。今日はなんてひどい道を歩いてしまったのだろう。今までこんなにひどい道を歩いたことは一度もなかった。今日のあの道は今まででワーストワンの道のりだった。実線でもなく、破線でもない、道でもなんでもない。そんな道のりだった。

難攻不落の峰谷からの鷹ノ巣山。しかし正しい登山道を歩けば、おそらく普通に安全に危なげなく進めたはずだ。どこで間違えてしまったのか。続けて二回も。
それを確かめるため、今回はピストンで峰谷まで戻ろうとも思ったが、同じ道を下山するのは面白みがないので、結局石尾根で奥多摩駅まで帰ってきた。
おそらく、あの道で間違ったのだろうと思っている。

左:峰谷林道(行き止まり)
右:鷹ノ巣山

そこでおそらく左に行くべきだったのだと思う。前を歩いていた三人組も左に消えた。
地図をよく見ると、左に進んですぐに、鷹ノ巣山への横道が出てくるっぽい。峰谷林道まで行く途中で、鷹ノ巣山への横道が右に出てくるのだと思う。たぶんそこを行くべきだった。そうすれば、最初から最後まで安全な道を歩けたのだと思う。
だからたぶん、あの前を歩いてた三人は、やっぱり鷹ノ巣山に登る人たちだったのだ。多分そうだと思う。
ちゃんと確認したわけではないけれど、地図を見るとたぶんそれで間違いないと思う。

となると、あの標識が紛らわしいにもほどがある。初めて来た人はあそこで絶対に間違える。誰だって標識通りに歩くだろう。私は二回連続で間違えた。
ここはほんと気をつけなければいけない。そこを通り過ぎた後も、依然として「この先鷹ノ巣山」という標識が出続けている。で、標識通りにそのまま進むと、道がないような道に出くわしてしまい、危険な目にあってしまうということだ。おそらくあの道を遮っていたロープ、あれがおそらく正しかったのだろう。要するに、今はこの道、進めませんよ、という意思表示を、あのロープでしていたのだろう。そこをあきらめず、道なき道を進んでしまったわけである。

鷹ノ巣山の山頂から奥多摩駅への長い道のり、コースタイム4時間40分の道のりは、ゆるやかな下り坂の連続で、最初から最後まで、ずっと歩きやすい安全な道だった。実際には4時間くらいしかかからなかったと思う。いや私はかなりゆっくり歩いたので、普通に歩けば4時間もかからないかもしれない。
奥多摩駅の近くに出る道が、すごいわかりにくい。timeというコンビニみたいな店の横の道から出てきた。これ逆側で石尾根から鷹ノ巣山を目指そうとした場合、入っていく道がわかりにくい。「この先近道」という標識の道を歩いてしまったので、コンビニの横の道に出てしまったのだろう。その道は標識もなにもないので、その道入っていくと石尾根に続くとか、知らない人は気づかない。

あの全然関係ない話だが、シカの鳴き声、たしか、

ヒン!

だった気がする。いやこれ、すごい大きな音で鳴く。たしか、ヒン、だったと思う。これは絶対書いておこうと思ったのだけど、書くの忘れてしまった。で、すごく気になってる。たしか、ヒン、だったと思う。すごい意外な鳴き方したので、印象に残ってる。こちらを威嚇するような感じで、すごい大きな音で、ヒン、と鳴かれたことがある。たしかヒンで間違いないと思うけど。もう一度、いつか聞いてみたいものだ。シカの鳴き声。
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